【感想】エリック・ホッファー自伝: 構想された真実
こんにちは。ナニカです。
最近読んだ本を紹介します。
エリック・ホッファー自伝: 構想された真実
エリック・ホッファーって全く知らなかったんですけどね。
前に読んだ『好きなようにしてください: たった一つの「仕事」の原則』という楠木建さんの本がめちゃ面白くて、その中でちらっと紹介されてたので読んでみました。
この『好きなようにしてください: たった一つの「仕事」の原則』という本の記事も今度書いてみたいと思います。
さて、このエリック・ホッファーさんはね。すんごい人生送ってるんですよ。
とりあえず略年譜を見てみてほしい。
1902年 ニューヨークのブロンクスにドイツ系移民の子として生まれる。
1909年 7歳で母と死別。突然視力を失う。15歳で突然視力が回復する。
1920年 18歳で父が亡くなり天涯孤独に。ロサンゼルスに渡り10年間さまざまな職を転々とする。
1930年 28歳のとき自殺を図るが未遂に終わる。以後10年間、季節労働者として働く。
1941年から1967年までサンフランシスコで港湾労働者として働きながら、執筆活動に入る。
1983年 81歳で死去。
常に社会の最底辺に身を置き、働きながら読書と思索を続け、独自の思想を築き上げた〈沖仲士も哲学者〉として知られている。
はい。なんか凄い人生。
かなり異色な哲学者なんじゃないでしょうか?哲学者あんまり知らんけど。
学校行ってないですからね。独学です。
それにしても視力なくなって、また突然回復するとかあるんですね・・・
エリック・ホッファーはまたすぐ見えななくなると思い込んで三年間朝から晩まで本を読みまくってたらしい。
まー、また見えなくなることはなかったんですが、読書は亡くなるまでずっと続けてたみたいです。
あとホッファー家は早死で自分も40歳には死ぬと思い込んでいて、今死んでも10年後に死んでも同じと思って自殺する…
未遂に終わったんですが、それによって
「労働者は死に、放浪者が誕生したのである。」
エリックホッファー自伝を読んで個人的に面白かった、興味があった部分を書いていきます。
ドストエフスキーと旧約聖書について
この2つについての記述については凄く興味を惹かれた。
ドストエフスキーも旧約聖書も読んだことないですがめちゃくちゃ読んでみたくなります。
どちらも小説家や著名人などもよく影響を受けたものとして紹介してたりするので、読んでみます。
でも実はドストエフスキーは20代のときに一度読もうと思って挫折してるっていう(笑)
読んだらまた記事にします。
オレンジ売り
たぶん、エリックホッファーってすごい多才な人なんだと思うんですが、いろんな仕事をしてきたうちの1つにオレンジ売りがあります。
そのエピソードでオレンジを売る才能があったみたいで、ガンガン売っていくんですがある疑念にとらわれます。
「平気で嘘をつき、お世辞を言い、たぶん何でもした自分に愕然とした。明らかに、物を売ることは私にとって精神を腐敗させる元凶である。」
こんな考え方したこともなかったので、面白いなと思った。
自分と違う考え方に触れるというのはやっぱり面白い。
この考え方でいくと美容師って…(笑)
希望ではなく勇気
これは凄いカッコイイなと思った。
「自己欺瞞なくして希望はないが、勇気は理性的で、あるがままにものを見る。希望は損なわれやすいが、勇気の寿命は長い。希望に胸を膨らませて困難なことにとりかかるのはたやすいが、それをやり遂げるには勇気がいる。闘いに勝ち、大陸を耕し、国を建設するには、勇気が必要だ。絶望的な状況を勇気によって克服するとき、人間は最高の存在になるのである。」
こんなん言ってみたい。
他にも心に留まった言葉
「類似性は自然なものだが、相違は人為的なものだ」
「見慣れたものを新しく見せられるかどうかが創造的な芸術家の指標である。私の場合、運命が芸術家であった。」
「金と利潤の追求は、取るに足りない卑しいことのように思われがちだが、高邁な理想によってのみ人びとが行動し奮闘する場所では、日常生活は貧しく困難なものになるだろう。」
「他人を進んで許そうとするからこそ、自分を許すこともできるのかもしれない。不満をなだめなければ、良心の咎めを感じることもできなくなってしまうのだ。」
おわりに
エリックホッファーという人物がどのような人生を送り、どんな経験をしてどんな人たちと出会って〈沖仲士の哲学者〉と言われるようになったのか。
それをこの一冊ですべてを知れるわけではないけれど、すごく濃くて面白かった。
今まで自伝とかはあまり読んでなかったけど、他にもいろいろ読んでみたくなりました。
あ、何かおすすめの自伝とかあれば教えていただけたら嬉しいです!